ある日、鏡を見て「あれ? シミがある!?」とビックリしたという人は多いのではないでしょうか。
シミは、いつからできていたのか……。見つけたらショックですよね!? 私も顔にコーヒークリーム色のシミを見つけたときは凹みました。よく見ると、大きさは1センチ以上。さらには、ポツポツとしたシミが顔中に広がっているのを発見してしまいました。
シミは突然できてしまった印象を受けますが、少しずつ、少しずつ大きくなっていき、ある日突然気づきます。
そこで、この記事では「できたシミは消せる?」という疑問に答えながら、にっくきシミの正体を知り、できたシミを効果的に消して本来の美肌・美白に戻していく方法についてお伝えします。
シミの正体とは
効果的にシミを消して美肌・美白になるためには、まずは、シミの正体を知っておかなければ対策が打てません。シミがどうしてできるのか、まずはシミの正体を知りましょう。
シミの正体は、簡単にいってしまうと、肌などの局部に「色素」が集中して増えるという現象です。その「色素」は皮膚の中で作られた「メラニン」が溜まったものでシミとなって現れます。
メラニン(*1)とは、人や動物などの肌に作られる黒色などの(メラニン)色素(*2)のことをいいます。紫外線などの要因でメラニンが大量に作られ、その過剰なメラニン色素は肌の中で溜まり、その溜まった沈着物がシミとなり浮き出してきます。
(*1)(*2)「メラニン」と「メラニン色素」は同じ意味合いになります。
メラニン(色素)は、あなたの肌や髪の「色」を作っています。肌の色でいうと、白人は相対的にメラニン色素が少なく、黒人は多いといえます。
ここまで見ると、メラニン色素は悪いものに思えてきます。シミができるのにはメラニン(色素)が関係しますが、それでは、メラニンは悪者なのでしょうか?
シミとメラニン色素との関係
豆知識:メラニンは悪者ではない
メラニンは、決して悪者ではありません。メラニンにはあなたの体を紫外線からがんばって守っている役割があります。メラニンは、決してシミを作る敵というわけではないのです。
さて、メラニンがなかったらどうなると思いますか?
「アルビノ」ということばを聞いたことがあるでしょうか? アルビノはメラニン色素を作る力が欠乏している疾患になります。アルビノの「白いライオン」や「白いペンギン」を想像してみてください。メラニンが作られないと、本来の色ではない白色のライオンやペンギンになるのです。
ということで、メラニン自体は悪者ではなく、むしろメラニンとうまく共存していくと良いということを理解しましょう。そのためには、「メラニンを過剰に発生させないようにして、メラニンの量を上手にコントロールできれば良い」わけです。
メラニンが悪者ではないことがわかったところで、さらにシミの正体に迫るために、どうしてシミが加速して増えてしまうのか探っていきましょう。
シミが加速して増えてしまう3つのストレス
シミは、油断すると、日常生活の中で加速して増えていきます。どうしてシミが加速して増えてしまうのか、その主な原因について次の「3つのストレス」があげられます。
3つのストレス
・日焼けによる紫外線からのストレス
・加齢によるターンオーバーの乱れ
・大気汚染による肌の酸化ストレス
以下、順に見ていきます。
①日焼けによる紫外線からのストレス
「ストレス」ということば自体は、さまざまな場面で耳にすると思います。そのストレスの中でも、紫外線による日焼けは、あなたの体に大きなダメージを与える上位にくるものといって良いでしょう。
シミは、太陽光線の紫外線が吸収されるときにメラニンが作り出され、そのメラニンが肌の奥で蓄積されることでできます。
紫外線を浴びると、「いつもより多くのメラニン色素を出すよう」メラノサイト(メラニン色素を作る工場)に命令がくだされるのですが、その命令自体は肌を守ろうとする防御反応なので自然なことです。そうはいっても、余分に作られたメラニンは貯めたくありません。過剰なメラニンは早く体の外に出したいですよね。
日常生活の中で、会社や学校に行く・買い物に出る・散歩をするときなどは、どうしても太陽の光を浴びてしまうものです。完全に紫外線を避けることは難しいと思います。あなたの肌や体にダメージを与えないように対策していくことが大事になってきます。
次に、2つ目のストレスである「加齢によるターンオーバーの乱れ」をみていきます。
②加齢によるターンオーバーの乱れ
ターンオーバーとは、肌(皮膚)が生まれ変わる代謝のしくみです。新陳代謝というと伝わりやすいかもしれません。
新陳代謝が起こることで、古くなった肌は新しい細胞に生まれ変わります。それは、皮膚の中で毎日新しい細胞が作られ、順々に肌の表面に向かって押し上げられ、さいごには剥がれ落ちていくというサイクルになります。
ターンオーバーのサイクルは、正常に働けば、メラニン色素が蓄積されないで出ていくため問題ないのですが、困ったことに加齢などの原因によりターンオーバーが遅れることで乱れてきます。
そのターンオーバーの乱れがシミにつながるため、以下、ターンオーバーの仕組みについて知っておきましょう。
「ターンオーバーの周期は28日」というフレーズを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、この28日という周期は、誰しもが当てはまるわけではありません。
「ターンオーバーの周期は28日」は正解?
「ターンオーバーの周期は28日」というのは、20歳の人の新陳代謝のサイクルを指しています。歳を重ねるごとにターンオーバーの周期は遅くなり乱れます。
28日だった周期は、40歳で60日、50歳で75日かかることにもなります。
ターンオーバーの日数は、「あなたの年齢に1.5倍をかける」と覚えましょう。ターンオーバーがうまくいかない場合は、さらに日数がかかります。あなたの年齢の2倍くらいかかってしまうことも稀ではありません。
ターンオーバー周期の年齢別比較
次の表は、年齢別に、肌が生まれ変わるまでにかかるターンオーバーの日数を比べています。
年 齢 | 肌が生まれ変わるまでにかかる日数(生活環境などから、個人差があります) | |
20歳の ターンオーバー |
28日前後 | 肌が生まれ変わるまでには、 約1か月 |
40歳の ターンオーバー |
60日前後 | 肌が生まれ変わるまでには、 約2か月かかる |
50歳の |
75日前後 |
肌が生まれ変わるまでには、 |
ターンオーバーの周期は、50歳では20歳のときより2.6倍あまりもの時間がかかるわけです。日数の大きな開きにショックを受けてしまいます。
しかし見方を変えると、「ターンオーバーを早められれば良い」ことがわかってきます。あなたの肌を、だんだんと20代のサイクルに近づけていけば良いのです。
シミが加速して増えてしまうストレスは、これまでにあげた「紫外線」や「ターンオーバーの乱れ」だけではありません。以下、「あなたの呼吸している空気中にもさまざまな環境ストレスがある」ことを説明します。
③大気汚染による肌の酸化ストレス
環境ストレスは、例えば、車の排気ガスや工場から出る汚染物質があげられます。大気汚染物質が肌に付着すると、「酸化(*3)」という現象を起こします。(*3):物質が酸素と合わさること
大気汚染物質が汗や皮脂に溶け込んで肌が酸化してしまうのです。酸化すると、肌には過剰な色素が作られるため、コラーゲンが安定しなくなり果てには肌に炎症が起こります。
大気汚染の代表例の1つにはPM2.5があげられます。
PM2.5の粒子の大きさは、髪の毛の30分の1ほどで極めて小さいです。肌が酸化することで、あなたの細胞やDNAを傷つけ体にサビを起こさせます。その酸化ストレスは、肌の働きをどんどん下げて肌バリアを弱くします。肌が弱くなると、過剰な色素を作り出し肌に炎症が起こり、敏感な肌を生むきっかけにつながっていくのです。
大気汚染の例としてPM 2.5をあげたのは、管理人はベトナムに住んでいることが関係しています。
ベトナムのPM2.5値は、「大気が健康に良くない」、さらには「大気が非常に健康に良くない」というレベルが出ることがめずらしくありません。
というのも、ベトナムではおびただしいほどのバイクが走っています。そのバイクなどからの排気ガスの影響でモヤがかかった空気の日が多いです。また、ベトナム北部の地方では、冬に暖房として石炭を利用するので、そのことも空気に影響を与えます。そんなわけで、サイト管理者としてはPM2.5などの大気汚染にはどうしても敏感になってしまうのです。
ベトナムまではないにしても、日本でも「PM2.5の値が高い」という問題は耳にすると思います。
日本では、おおむねPM2.5値は少ない方の国に該当するでしょう。でも、春の黄砂の時期などには日本でもPM2.5の数値は上がり、花粉症などのアレルギーがある人にとってはダブルパンチでつらい時期になるのではないでしょうか。PM2.5の他にも、一酸化炭素・二酸化窒素などの様々な汚染物質が数値をあげています。
こうして、さまざまな大気汚染はシミができる原因の一つとなります。
ここまでで、シミが加速して増えてしまう主な原因を説明しました。それでは、加速して増えてしまうシミを効果的に消して美肌・美白になるにはどうしたら良いのでしょうか。具体的にみていきましょう。
効果的にシミを消して美肌・美白になる3つの方法
加速して増えてしまうシミを効果的に消して美肌・美白になる方法
①紫外線を防ぐ
②ターンオーバーを早める
③美白有効成分の入った化粧品を使用する
以下、1つずつみていきましょう。
①紫外線を防ぐ
紫外線を防ぐ手っ取り早い方法としては、いろいろなグッズをうまく利用することがあげられるでしょう。
紫外線対策の例
帽子、日傘、サングラス、日よけアームなど
上のイラストでは紫外線対策の例をあげています。帽子・日傘・サングラスなどを使って肌をおおうことで、紫外線の影響を少なくすることができますので、それぞれのシーンで工夫してみてください。
②ターンオーバーを早める
美白を目指すのなら、あなたの体に溜まっている悪いものに着目してみましょう。ここでの悪者は「過剰な」メラニンを指します。余分なメラニンは体の外に出してあげましょう。
体の外に出すには、「ターンオーバー」をうまく整えることで解決できます。ターンオーバーを早めることで肌(皮膚・細胞)などを「還元」してあげるのです。
「還元」とは元の状態に戻すことです。肌でいうと、メラニンができる過程でメラニンの生成を抑えたり遅らせたりすることを指します。
還元の反対の過程は「酸化」といい、酸化とは酸素との化学反応になります。肌でいうと、肌がサビることです。肌がサビるとシミやしわを招く原因につながりますので、酸化をなるべく抑えてあげてシミになるのを防ぎましょう。
③「美白有効成分」の入った化粧品を使用する
効果的にシミを消して美白効果を得たいのであれば、美白有効成分が配合された化粧品を使うことが近道になります。美白(*4)になりたいと願うならば、美白有効成分を含む化粧品を使わないと効果が見込めないからです。
美白(*4)とは、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐことを示しています
日々、「美白有効成分」の入った化粧品を使用することで、できてしまったシミに作用し、またシミができるのを防いでくれます。それでは、美白に有効な成分とは、具体的にどのようなものをいうのでしょうか。
美白有効成分とは
「美白有効成分」とは、「メラニンの生成を抑え、シミやソバカスを防ぐ」、またはそれに似た効能を厚生労働省に認められた成分のことを指します。
以下、効果的に美白になる美白有効成分を5つ紹介します。
効果的に美白(*4)になる、主な美白有効成分5つ
①アルブチン
②ビタミンC誘導体
③ルシノール(正式名称:「4-n-ブチルレゾルシノール」)
④AMA(エーエムエー)
⑤ハイドロキノン(新安定型)
美白になるといっても、安全性の高いものでなければ意味がありません。そこで、以下、安全性の高いものにも着目しながら、効果的に美白になる成分5つを解説していきます。
美白(*4)とは、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐことを示しています
①美白有効成分「アルブチン」
アルブチンは、コケモモや梨などに含まれている天然型の化合物です。
アルブチンによって、メラニン色素の合成に関わるチロシナーゼ(*5)という酵素を抑えて、肌などへの色素沈着を抑制してくれる作用があります。安全性からも、皮膚や眼などへの刺激がほとんどないため問題が少ない成分といわれています。
美白有効成分「アルブチン」が配合された化粧品を使うことによって、メラニンが合成するのを妨げてくれるため、美白効果があるとして多くの化粧品に使用されています。
(参考)チロシナーゼについて(*5):酵素の一つで、紫外線を浴びると、その紫外線から肌細胞を守るためメラニンが生成させます。いつまでもメラニンが肌の中に留まってシミになるのを防ぐには、チロシナーゼを抑える対策ができれば良いことになります。
②美白有効成分「ビタミンC誘導体」
ビタミンC誘導体は、体内で酵素と反応するときビタミンCとなるものです。
ビタミンC自体は、もともと壊れやすかったり吸収されにくかったりと成分が安定していません。ビタミンC誘導体は、そのビタミンCの弱点を補っています。
そのため、美白有効成分である「ビタミンC誘導体」の配合された化粧品を使うことで、皮膚などのサビつきを抑えることができます。また、シミを薄める作用があります。
③美白有効成分「ルシノール」(正式名称:「4-n-ブチルレゾルシノール」)
ルシノールは、メラニン生成が活性化するのにロックをかけるための美白有効成分です。ルシノールは、シミの元となるメラニン色素細胞が活発になることを抑えます。
そのため、美白有効成分「ルシノール」を配合した化粧品を使うことで、メラニン色素ができるのを抑えて皮膚への美白効果を促します。
④美白有用成分「AMA(エーエムエー)」
AMA(エーエムエー)は、美白作用としてシミ・ソバカスができて根づいてしまうのを防ぐ作用ができます。
富士フィルム株式会社が独自技術で開発した「ナノAMA」では、AMAの「ナノ化」(*6)に成功し、美肌ケアをサポートしています。ナノで肌に浸透させることできるので、角層(角質層)(*7)のすみずみまで成分が届き美白効果を高められます。
そのため、美白有効成分「ナノAMA 」を配合した化粧品を使うことで、美白効果を高めることができます。また、「ナノAMA」は抗炎症作用を持つ成分を複合しています。
ナノ化(*6):ちなみに、細胞の大きさは直径数10マイクロメートル。この単位は、センチメートル>ミリメートル>マイクロメートルと小さくなっていき、「ナノメートル」はマイクロメートルにつづく小さい単位
下図:角層(角質層)(*7):「角層(角質層)」は、表皮の図より1番上(表面)の部分
⑤美白有効成分 (新安定型)「ハイドロキノン」
ハイドロキノンは、美白剤として絶大なパワーを発揮します。一般的な美白成分と比較すると約100倍の美白力があるといわれており「皮膚のシミ抜き剤」といえるほど強い作用があるといわれますが、安全性の観点から、注意点としては用法や用量を守ることが大事です。
使用するポイントとしては、ハイドロキノンを洗顔後、夜だけシミの上にピンポイントでつけるなどすると良いでしょう。その際、用法・用量を守ることで、肌の奥に潜んでいるメラニンに直接働きかけ、メラニンを作り出す酵素チロシナーゼ(*8)の働きを強力に抑えます。さらに、メラニンの分解も促進させるため、できてしまったシミも薄くします。
(参考)チロシナーゼ(*8)について:紫外線を浴びると、その紫外線から肌細胞を守るためメラニンが生成させます。いつまでもメラニンが肌の中に留まってシミになるのを防ぐには、チロシナーゼを抑える対策ができれば良いことになります。
以上、厚生労働省が認めた美白有効成分の例を紹介しました。
美白有効成分の代表的な3つの作用
ここでは、簡単に、美白有効成分の作用をあげておきます。美白成分の入っている化粧品を使うことで代表的な3つの働きがあります。
①メラニンの生成を抑える
美白有効成分には、過剰にメラニン色素ができるしくみを抑えることで少しずつシミを薄くする作用があります。
シミが薄くなるよう、メラニンを作る工場であるメラノサイトが活性化しないようにします。そうして、肌の炎症などが起こらないようにするのです。
②メラニンの排出を促す
美白有効成分には、過剰にできてしまったメラニン色素を外に出す作用があります。
肌のターンオーバーを整えてあげると、さいごには、角層となり垢としてはがれていきます。そして、元の肌色に戻してあげるのを助けます。
③メラニンを還元する
体を還元して肌をもとの状態に戻していくことで、メラニンの生成を抑え・遅らせる作用があります。
美白有効成分には、過剰なメラニン色素を作る原因となる物質を抑える働きがあります。
まとめ
シミをなくしていくにはメラニンとの関係は切り離せません。シミの正体や原因を知って、効果的にシミを消して美肌・美白になる方法を知りましょう。
シミ対策にはいろいろ解決法があると思いますが、知識がないと、無駄にお金を使ったり時間がかかったりします。ましてや、大気汚染などはあなた自身ではどうすることもできません。
美肌・美肌を効率よく手に入れる一番の近道は、厚生労働省が認めている「美白有効成分」が入った化粧品を使うことです。美白有効成分はそれぞれ作用が異なりますので、あなたの肌にあった成分を選んで使用するのが良いでしょう。